工藝と禅
「工藝」とは、古くは人類史とも密接に関係し、進化や環境、そして人の智慧によって磨かれ、暮らしをより良くしていくものとしての道具のことを指します。
一方「禅」とは、物事の真実の姿、あり方を見極めて、これに正しく対応していく心のはたらきを調えることを指すそうです。
わたしたち漆琳堂は越前にあります。同じ越前には道元禅師が開いた禅宗のひとつ曹洞宗の大本山、永平寺があります。
禅はこの地に暮らすわたしたちにとって大切にしたい考えかたであり、工藝は先祖代々受け継いできた大切な仕事と暮らしの智恵です。
わたしたちは、その二つを深く知ることでこの時代を生きるためのヒントがあるかもしれないと考えるようになりました。
暮らしをよりよくする工藝と心の働きを調える禅の考え方がみなさまの生活を豊かにすることを願い、工藝と禅を探訪してまいります。
漆琳堂 八代目当主 内田 徹